【資産埋没対策】家族のために早めの資産棚卸!【不測の事態対応】
老後に限ったことではないのですが、老後はとくに考えておくべきなのが
「いつなにがあってもいいようにしておく」
ことです。
身の回りをすっきりさせておけば残された者たちに迷惑をかけなくてすみます。
こちらの記事を参考にしてください。
でも、それ以上に大切なのは
・自分にしかわからない情報
・何かあったら家族につたえなくてはならない情報
そういう情報をちゃんと家族にわかるようにしておくことです。
それが何であるかは人それぞれかと思いますが、資産管理には気を付ける必要があります。
もし自分しか知らない資産情報があったら早めに資産棚卸をして情報を整理し、適切な場所に保管すべきです。
資産は普段から人目にふれず、内容も複雑であることも多いので何かあれば埋没してしまう怖れがあります。
この記事では「資産埋没」を防ぐためのポイントについてお伝えします。
老後の不測の事態とは?
「まだまだ元気なので自分だけはだいじょうぶ」
そう思っている年金世代および年金予備軍は多いとおもいます。
でも不測の事態はつねに起りえます。
老後のリスクにはどういうものがあるかを考えてみましょう。
健康問題
私は血圧は高いほうではありませんし、健康にはふだんから注意しています。
人間ドックも毎年うけています。
それでも、いつ脳梗塞で倒れるかもしれませんし、いつ虚血性心不全に襲われるかもしれません。
倒れてそのまま意識が戻らない、ということが起こりえます。
また、知らないうちに認知症にならないともかぎりません。
認知症がすすんでからでは資産棚卸もできなくなります。
乗り物事故
最近はジェットスターで旅行することが多くなりました。
ふだんは気にもしていませんが、もし事故がおきたら?と思うことがあります。
クルマの運転は、たとえこちらが細心の注意をはらっていても交通事故は起こりえます。
道路を歩いているときも、音が聞こえにくい、注意力が散漫、動作が遅い、などリスクがひそんでいます。
事故で一瞬にして命をおとしてしまうことも無いとは言えません。
自然災害
地震、台風、洪水、集中豪雨など自然災害はいつやってくるかわかりません。
洪水はハザードマップなどから事前にリスク評価ができるでしょう。
それ以外はいつ、どこで、どのくらい激しいものがくるかわかりません。
命を落とすことなど考えたくはないですが、備えは必要です。
犯罪被害
これも考えたくはありませんが、テロや新幹線内での殺傷事件なども起こっています。
暴漢がとつぜん家に飛び込んで来るということもあります。
資産の棚卸
じぶんは大丈夫だとおもっていても不測の事態はいろいろ想定できることがわかりました。
つぎに資産の棚卸をして家族に伝えるべき情報を整理していきましょう。
資産の預け先別にみていきます。
銀行
銀行には普通預金、定期預金、投資信託、国債などがあるかもしれません。
銀行には通常の店舗型の銀行とネット型の銀行があります。
店舗型の銀行預金なら通帳と印鑑がありますからその保管場所や暗証番号を家族に伝える必要があります。
銀行によっては暗証番号が記載されたカードがある銀行もありますので忘れないようにします。
ネット銀行の場合は通帳はありませんし郵便物が送られてくることはありません。
家族にネット銀行に預金があることを伝えなければ誰にもわかりません。
店舗型以上に埋没リスクが高いので注意が必要です。
ログインIDやパスワードなどを確実に伝える必要があります。
2段階認証を設定している場合はそれにもふれておきます。
保有している資産の情報はログインすればわかりますのでとくに必要ないでしょう。
また、使っていない口座は解約して整理しておきましょう。
残された人が助かります。
ただし、全財産をすべて一つの銀行に預けるのは避けましょう。
銀行が倒産した場合には1000万円までが保証範囲です。
リスク分散の意味からも、まとめすぎないようにしましょう。
証券会社
証券会社には株、投資信託、国債などを保有しているかもしれません。
また信用取引、先物取引、オプション取引などをしているかもしれません。
証券会社も店舗型の場合は定期的に資産状況のレポートが送られてきますから家族がその存在に気が付くことができます。
しかし、ネット証券の場合はその口座の存在を伝える必要があります。
ネット銀行と同様にログインIDやパスワードが確実に伝わるようにします。
証券会社は商品の幅が広いので保有資産やいま行っている取引についての情報を簡単に記録しておきましょう。
残された人がたすかります。
FX取引所
FXなどの為替取引をしているかたもいるでしょう。
ネット銀行と同様にログインIDやパスワードが確実に伝わるようにしておきます。
保有している資産や取引の情報はログインすればわかりますのでとくに必要ないでしょう。
仮想通貨取引所
もし仮想通貨を所有している場合は丁寧に対応法を残しておく必要があります。
所有している形態でも対応は異なります。
取引所に置いてあるなら、そのID、パスワード、2段階認証について記録しておきます。
ウォレットに保存しているならその使い方と送金の仕方を記録しておきます。
送金して円に換金するための窓口となる仮想通貨取引所のログイン情報も必要です。
仮想通貨は一般の人にはハードルが高いので丁寧に情報を残しましょう。
不動産
不動産を所有している場合は、自宅を含めて権利書などの所在を明らかにしておく必要があります。
複数あるばあいは整理して情報を一覧にしておくと残された人はとても助かります。
持ち家ではなく賃借している場合は家族もわかっているとはおもいますが賃貸契約書の所在を明らかにしておきます。
不動産収入がある場合はその詳細と契約書の所在をあきらかにしておく必要があります。
親から受け継いだような不動産は子供たちがまったく知らない可能性があります。
家族にしっかりと伝えられるように早めに準備をしておきましょう。
また、普段から家族とのあいだで話題にだしておくのもいいでしょう。
マイナス資産(ローン等)
住宅ローンの40パーセントは高齢者、アパートローンの8割は60代以上だそうです。
残された家族にとってローンは相当な重荷となることでしょう。
余裕があればなるべく返済を優先しましょう。
そうは言っても、余裕がないというときはせめて事前に負債額と借入先を家族に明らかにしておきましょう。
資産情報をどのように残すか?
棚卸をした資産情報はどのような形でどこに残したらいいでしょうか。
セキュリティは大切ですが、しまいこんで発見できないのでは元も子もありません。
記録方法
紙やノートに書くのは物理的に目につきやすいのでいいのですが、セキュリティのうえで不安がのこります。
わたしは資産状況をエクセルファイルにシートごとに分類して記録しています。
記録は随時更新するひつようがありますが、更新するばあいもエクセルファイルなら簡単にできます。
ワードなどの文書ソフトでもいいのですが、金額や面積や数量などを記載するにはエクセルが便利です。
保管場所
できあがったエクセルファイルをどこに保管するかが問題です。
パソコンの中に保管するのは絶対にやめましょう。
ウィルスソフトを入れていたとしてもネット経由で流出する危険があります。
外付けハードディスクに保管するのがいいと思います。
USBメモリーでもいいでしょう。
わたしの場合は過去にUSBメモリーの不具合でアクセスできなくなった経験があるのでつかっていません。
ハードディスクは電源が入っているときにショックを与えるとクラッシュしますので扱いは慎重にする必要があります。
そこで仮にクラッシュしても大丈夫なようにバックアップをしておきます。
わたしはバックアップ先をネットにつながない古いパソコンに保存しています。
エクセルファイルを更新したら外付けハードディスクとバックアップPCの両方を更新します。
また外付けハードディスクをパソコンにつないでエクセルファイルを開くときは念のためにインターネットの接続を切っておきます。
資産情報やID、パスワードを記載したエクセルファイルはそのくらい気をつかって扱うひつようがあります。
保管場所をつたえる工夫
最後に、外付けハードディスクやUSBメモリの保管場所を家族につたえる必要があります。
終活ノートのようなものがあればそれに記載しておきます。
とくになければ、まず普段から家族にはなしをしておきましょう。
また、家族がかならずさがす預金通帳などといっしょに1枚の紙に経緯を書いておくのがいいでしょう。
そうすれば、資産が埋没する心配はありません。
まとめ
・年金世代はいつなにがあってもいいようにしておく
・エクセルファイルに資産情報をまとめる
・外付けハードディスクやUSBメモリに保存する
・外付けハードディスクやUSBメモリの所在を終活ノートに書いておく
・または所在を書いた紙を預金通帳といっしょにしておく
・セキュリティに気をつけながら情報の更新をする