【老老介護】親に対するイライラの解消法【経験者アドバイス】

子供がひとり立ちして結婚し、孫もできてひと安心と思っていたら、親の介護がはじまった。。。というかたは多いのではないでしょうか。
そして、慣れない介護の入り口でイライラがつのっていませんか?
あたりまえのことができない親にイライラする、どうしても声を荒げてしまう。
脳がすこしずつ壊れて子供に戻ってきているのだからしょうがない。。。
それはわかっているのだけど。。。
優しくなれない自分にこんどは落ち込んだりします。
そんなストレスの多い介護の中でのわたしのイライラ解消法をおつたえします。
状況はひとそれぞれですから、すこしでも参考になったら幸いです。
それでは、順にみていきましょう。
わたしの母の介護について
わたしは現在、姉とふたりで89歳の母の面倒をみています。
4年前に父が亡くなってからは母は実家で一人暮らしをしています。
母は一人暮らしできる程度にはしっかりしているのですが、1年ほど前からもの忘れがひどくなりました。
要介護度は2です。
家事のやりかたを忘れたり、家族や知人を忘れたり、ということはないのですが、5分前のことはわすれてしまいます。
もちろん昨日のできごともほとんど忘れます。
曜日もわからなくなるので新聞だけがたよりです。だから、前日の新聞は片づけるように指示をしています。
朝夕くすりを飲むというのも忘れます。だから、毎朝、毎夕に電話をしてくすりを飲むように言います。
栄養のためにごはんをちゃんと食べるよう電話で言っても、簡単にすませてしまうようです。
だから、電話では冷蔵庫からおかずを出させてテーブルに並べさせます。そこまでしないと食べないようです。
でも、朝7時に起きて、新聞をとってきて、牛乳を出して、洗濯もして、自分でお風呂を沸かして入ります。
体力的に掃除はできないので週1回ヘルパーさんにお願いしているほか、わたしと姉とで時々掃除や片付けをしています。
食事を自分でつくる気力はすでになく、火を使うのもあぶないので週に2日は私と姉が実家にごはんを作りにいきます。
それ以外の日は、週に3日は昼食の弁当を頼み、週に2日はヘルパーさんに夕食の用意に来てもらいます。
また、時々ショートステイに泊まりに出かけたりと、いろいろ介護保険を組み合わせて対応しています。
足腰が弱っているので外に出るときは杖を持つように言うのですが、すぐそこだからと持とうとしません。
また計量カップを花瓶がわりにして庭の花を挿したりします。
花を愛でるのはいいことなんですが炊事につかう計量カップはやめてほしいです。
片付けもうまくできません。清潔さへの意識もあまりありません。
時々、常識はずれの行動をとる母に日々いらだちを感じ、声を荒げたり、落ち込んだりする日々です。
わたしの介護のイライラ解消法
親がやさしくしてくれたむかしの情景を思い出す
昔の親の姿を知ってるので情けない親の姿に接してついつい苛立ちを感じてしまいます。
何度いってもわからない。やってくれない。いいわけをする。反抗する。こんなに頑張っているのはだれのため?
どんどん不満が募ってきます。
いい加減にしろ!ふざけるな!とだんだん狂暴な自分が顔を出します。
そんなとき、母がやさしくしてくれた情景を思い出すようにしています。
あのとき母だけはやさしくなぐさめてくれたな。。。自分も母にやさしくしてあげよう。。。
ようやって、すこしずつこころを鎮めていきます。
兄弟姉妹と話す
姉は旦那さんのお母さん(義理の母)の面倒をみてきました。
いまはそのお義母さんが施設に入ったので負担は減ったようですが、介護に関することの先輩です。
そんな姉もときどき声を荒げてしまうと自分を責めていました。
姉でもそうなんだ。。。と少し楽になりました。
それからは、母のいやなところ、頭にくるところを、そうそう、それそれ、とふたりで言い合っています。
でももう頭がどんどん壊れてきているんだからしょうがないよね、といって終わります。
それだけでも、ずいぶん気持ちがすっきりします。
兄弟姉妹がいない人は、気の置けない友人や親せきのおばさんでもいいとおもいます。
一人で黙々と耐えるのはほんとにしんどいです。
ケアマネージャーさんと話す
ケアマネさんとは気軽に連絡をとりあいコミュニケーションをよくしましょう。
ケアマネさんは介護制度の詳細をよく把握し、いろいろなケースを経験しています。
きっと力になってくれるはずです。
ささいな状況の変化でも遠慮せずに積極的に連絡をすれば素早く対応してくれます。
ケアマネさんは介護制度の大黒柱でとても忙しい方たちですが、親身に対応してくれる強い味方です。
介護をもっと気軽に考える
「生きてればそれでいい」と思うようにする。
これは姉から教えてもらったことばです。姉のこのひとことで最近随分とイライラが解消してきました。
イライラして大声をだして怒鳴ったり、そのあと自分はなんてひどい人間なんだと落ち込んだり。。。
でも自分を責める必要はないのです。
そのくらい自分にもプレッシャーがかかっている。イライラしてあたりまえ。このままでは共倒れ。気分をかえなきゃ。
そう思うのが救いのみちなのです。
そして、介護を忘れて息抜きをする。
音楽をきく、楽器をひく、絵を描く、映画を見る、テレビで思いっきりお笑いを見る。。。
なんでもいいから介護そっちのけでしばし息抜きをする。
「生きていればいいんだから」と気軽に考えれば介護も気軽になってきます。
完璧をやめて負担を減らす
親が困らないように、少しでも楽しいように、少しでも快適なようにと、どうしてもついついやりすぎてしまいます。
まず、このくらいにしておこう。。。とすこし手を抜きましょう。
それから、兄弟姉妹がいればしっかり分担しましょう。
どうしても親の身近で生活している兄弟姉妹が中心になってしまいます。
その大変さには他の兄弟姉妹が気がつかないことも多くあります。
感謝はしていても気軽に考え勝ちです。
ひとりで全部完璧にやる必要はないのです。しっかり負担を相談して分担しましょう。
それから、負担を減らす工夫についてケアマネージャーと相談してみましょう。
そうすれば、いまできる範囲で介護保険を使った軽減策を組み込んでくれるはずです。
介護保険制度は要介護度があがるほど強い味方になってくれます。
本当の老老介護はこれから
わたしと姉の老老介護はまだまだこれからです。
これから母は歩くのも不自由になり、排泄もおもうようにならなくなったり、もっと大変な状況もくるかもしれません。
いまは、母の栄養がとぎれないようにする、怪我をしないように気を配る、体を動かすことをサポートすることに気をつけています。
また、知的好奇心を途絶えさせないように刺激をあたえるようにしています。
いまのところ、新聞を読んだりニュースを見たり、世間の動きには興味を示します。
でも、もし昔好きだった裁縫や織物や俳句などにまた興味が出れば、脳の老化も遅くなるのではと淡い期待を持っています。
だから、そういう環境づくりをしてあげようと思っています。そう思い通りにはいかないかもしれませんが。
母は時々ふと幼いころの思い出話をします。何度も何度もきいた話です。
はいはいそうね。。。と、いつもにこにこ聞いてあげるのはとても難しいことだとわかりました。
だから、聞いたふりをしながら自分が負担ならさりげなく聞き流します。
それから、鰻が大好きなのでときどきタクシーで鰻を食べにいくようにしています。
そんなささいな幸せを積み重ねてあげることがいまの母にとってはいいのかなと思っています。